慈を以て身を修め 善く仏恵に入り

もし人が「情けの心」「愍れみの心」を失ってしまったなら、そこは餓鬼・畜生の世界になってしまいます。いくら知識だけ立派でも人は円満には生きられません。「慈しみの心」をもって我が身を修め、慈しみの心をもって人と縁していくことが大切です。

正しく物事を判断するには知識が必要です。しかし正しいと思うことばかり通しても、時としてお互い譲らず争いになることは少なくありません。

お釈迦様は、正しいか否かを判断する知識ではなく、人としてなにが愚かなことであり、なにが尊いことなのかを分別する「智恵」が大切であると説かれました。

「情けは人の為ならず」という諺があります。他人に情けの心を向けることは、巡り廻って自分に返ってくるといことです。同じように「以慈修身」とは、人として愚かな道を歩まない「仏さまの智恵」を身につける事なのです。