栴檀とは白檀の別名で、白檀の香木はよくお数珠などにも使われ上品な香りが長く残ります。お釈迦樣の教えをこの「栴檀の香風」にたとえられ、とくに法華経の教えは最高の香りであり、聴く者をして心を悦ばしめるのであります。
「竹ならば割って見せたや腹の内、割れば食い気と欲ばかり」という道歌があります。朝起きて夜寝るまで不平不満をこぼし、食い気と欲ばかりの人生では、どぎつい下品な香りを、自分も他人にもまき散らしているようなものです。逆に自分勝手な生き方をする人ほど、下品な香りを好むものであります。
私達はせっかく仏様の教えに縁し、出会い、有りがたくもその仏様の道を歩むことができました。それならば笑顔や言葉一つにも、栴檀の香りが漂ってくる生き方をしたいものです。「敬いの心」こそ最も上品な香りなのです。