盡諸有結 心得自在
「有」とは差別の心、すなわち他と自分を見くらべる心のことです。「結」とは執着によって心がとらわれることをいいます。人は、なにごとにつけても他人と自分を比べ、優越感に浸ったり、嫉妬したりして心を乱します。この迷いを「有結(うけつ)」と呼びます。
この、他人と自分を見くらべてしまう執着を離れたところに、どのような境遇にも心が縛られない「心の自在」が生まれるのです。
日蓮聖人は、「たとえば貧窮の人、日夜に隣の財を計れども、半銭の得分もなきが如し」と教えられました。私たちはとかく自分を一番かわいく思い、自分に都合よく物事を判断しがちです。しかし、いくら「隣の財」を羨んでみても、そこから心の安らぎが得られるわけではありません。
「心得自在」とは、つねに自らの心を仏さまに照らし合わせて生きることです。神仏の前に立っても恥ずかしくない心持ちで日々を過ごすことが、いつも「感謝いっぱい」の、心安らかな生き方へとつながっていくのです。
「妙法蓮華経序品第一」